失敗しない家の選び方解説Success
Youtubeにて公開中の店鳥と新人事務員よっしーの「失敗しない家の選び方解説」シリーズのテキスト版です!
今回は住宅用の不動産を住宅ローンで購入する際の「頭金」についてお話させていただきます
よろしくお願いします!
まず、頭金とは最初に用意する現金のことです
昔は、物件価格の10%、20%以上の頭金が必要な時代がありました。
その当時、金利が5%~8%程度と高かったため、支払額が多くなりすぎることから頭金が求められていたんですね
なので住宅を購入するにあたってはまず、頭金分を貯金する必要があったんです
いつ頃のお話しですか?
30年以上前のバブル時代と呼ばれた頃です
しかし現在は金利が1%を切るケースもあり、物件価格と諸費用まで含めて、頭金なしで住宅ローンを組むことが可能になりました
そこで購入時に頭金を入れるかどうか?入れるとしたらどれくらい入れるか?などの選択肢が生まれたんですね
お金を借りると金利が発生するので、現金は極力頭金に回した方がお得になるんじゃないですか?
それが必ずしもそうとは限らず、ケースバイケースなんですよ
それではそんな頭金についてまずは「頭金を入れることによるメリット」からお話しします
まずは、当たり前の話ですが頭金分の金利が掛からなくなります。
仮に500万円の現金を用意したとします。
金利が1%と仮定すると、500万円に対して年間5万円の金利が発生し、35年ローンでは最終的に約93万円の金利が掛かる計算になります。
そして頭金を500万円入れるということは、この約93万円分がお得になるということになりますね
1%の金利でもそんなになるんですね!
次に、住宅ローンを借りる際、保証料を最初に支払うケースが一般的です。
多くの場合、ローン総額の2.2%が掛かり、例えば500万円借りたとすると最初に11万円が必要となります
つまり500万円頭金を入れるとこの11万円がお得になります
※ただし、保証料は繰上げ返済で早期に完済した際に戻ってくるケースがあります
更に購入時に抵当権を設定する為の登録免許税が必要になります。
物件にもよりますがローン総額の0.1%から0.4%程となり、0.5万円から2万円必要ですがこれも不要になります
まとめると頭金500万円を入れることで、100万円以上お得になるということですね!
はい、それでは「あえて頭金を入れないことによるメリット」をお話しします
現金を手元におけるので、いざと言うときの出費に安心です。
また、投資資金にすることも出来ます
次に、頭金を入れなかった分だけ、住宅ローン控除の対象額が増える事になります
ちなみに住宅ローン控除とは、年末時点での住宅ローン残高の0.7%を所得税と住民税から控除して貰える制度ですね
例えば長期優良住宅の中古住宅を購入して、3,000万円の住宅ローンを組んだとします。
この場合、控除対象となる最大のローン残高は3,000万円までなので、単純計算で3,000万円の0.7%で最大21万円が年末調整の時に戻ってくる、ということになります
また、ローン残高は年々減っていきますので、この例ですと徐々に控除額も減っていきますが、中古住宅の場合10年間は控除が受けられます
これが頭金500万円を入れた場合だと、500万円の0.7%、10年間の合計で35万円分の控除が受けられなくなった、と考える事ができます
なるほど、あえて頭金を入れないことで受けられる金銭的な恩恵もあるってことですね
そうです、ただし計算対象となるローン残高には物件によって上限がありますので、仮に4,000万円の中古住宅を購入したとしても計算対象になるのは最大3,000万円までとなります。
これでは頭金500万円を入れても入れなくても控除額は変わらない、ということになりますね
それでは先の例に戻りまして、頭金をあえて入れないことで35万円分の住宅ローン控除を受ける事が出来ました。
ただ、頭金を入れたときと比べて、当然500万円分の金利が余計に掛かっています
そこで両者のお得になる金額を単純計算してみます
3,000万円の長期優良、中古住宅 35年ローンの場合
①頭金500万円 金利1%の場合
500万円分の金利 35年間で約93万円
500万円分の保証料 11万円
登録免許税 0.5万円
得になる金額合計 約104.5万円
②頭金ゼロ 金利1%の場合
住宅ローン控除500万円分 約35万円
得になる金額合計 約35万円
70万円近くも頭金を入れた方がお得になるじゃないですか!
そうですね、それでは住宅ローン控除が受けられなくなる10年後に手持ちの500万円を繰上げ返済する、という前提で計算してみます
③頭金500万円 金利1%(繰上げ返済と比較)
500万円分の金利 10年間で約44万円
500万円分の保証料 11万円
登録免許税 0.5万円
得になる金額合計 約55.5万円
繰上げ返済することで11年目からはローン残高が同じになりますので、得になる金額の差は約20万円まで小さくなりました
ちなみに金利が0.7%の場合だとローン控除の0.7%と丁度相殺されますので、残った保証料などの初期費用分だけ頭金を入れるとお得になる、と考えることができます
ということは逆に金利が0.6%より下回ってくると頭金を入れない方が得をする可能性が出てくるという事ですね
はい、金利0.6%だとこうなります
④頭金500万円 金利0.6%(繰上げ返済と比較)
500万円分の金利 10年間で約26万円
500万円分の保証料 11万円
登録免許税 0.5万円
得になる金額計 約37.5万円
頭金を入れなかった②のケース約35万円と比べて、金利0.6%だと概ね同じ水準となりました。
なので金利0.6%を下回ると「頭金を入れない方が得」になりますね
また、購入する住宅が新築だった場合は住宅ローン控除を更に3年間余分に受けられますので、新築の場合だと金利0.6%から「頭金を入れない方が得」となります
なるほど、更にしばらく現金を手元に残せるので他のメリットもありますね
はい、何よりも10年間は手元にまとまった現金がありますので、もしもの際には使えるという安心感と、投資をされる方であればこのお金で利益を生み出せるかもしれない、というのが大きいと思います
仮に大きな出費があって現金が足りないと、1%を切るような低金利ではまずお金を借りる事が出来ないですからね
そうです!それだけ住宅ローンは非常に金利が低く、尚且つ税金控除の制度まである優秀なローンということですね。
住宅購入を検討されている方は今回を参考に、物件価格、貯蓄額、金利、現在支払っている所得税額、それらをご自身の条件に当てはめて「多少頭金無しの方が分が悪いかな」という程度であれば、あえて現金を手元に置く方を選択されてもいいと思います
それでは今回は住宅用の不動産を住宅ローンで購入する際の「頭金」についてお話させていただきました
ありがとうございました!
ありがとうございました!