失敗しない家の選び方解説Success
Youtubeにて公開中の店鳥と新人事務員よっしーの「失敗しない家の選び方解説」シリーズのテキスト版です!
今回は木造の建物は何年住むことができるか?についてお話させていただきます
よろしくお願いします!
建物が何年持つかは、みなさん気になるところだと思います。
今回は単純に建物の構造的な部分が何年持つのか?についてです。
キッチンやお風呂、窓や屋根、外壁などについては別になりますのでご了承ください。
構造的な部分とはどんな部分になりますか?
はい、建物の強さにおいて重要な役割を果たしている部分で、基礎、土台、壁、柱、梁、筋かい、などになります。
まず基本的に、築年数の古い建物でも地震などが無ければよっぽどでない限り、倒れたりしません。
雨漏りや、シロアリの放置、床下の腐朽なども進んでいなければ、住もうと思えばいくらでも住めます。
逆に言いますと大きな地震で大きな被害を受ける状態になった時が建物の構造の寿命と考えると良いと思います。
国土交通省では木造住宅の標準的な仕様では「耐用年数40年」としています。
もちろん実際の建物はそれぞれ仕様が異なりますので、30年までのものや50年以上もつものも存在します。
なので、あくまでも平均的な建物だと40年ということになります
また、同じく国が定めた「長期優良住宅」では100年以上持つとされています
耐用年数を超えてしまうと建て替えた方がいいのでしょうか?
そうですね、耐用年数を超えたからといって、大きな地震でもこない限り勝手に倒壊することはありませんし、建て替えの義務もありません。
また、建物ごとに劣化の差はかなりありますので一概には言えないですね。
心配な場合は建築士などの専門家に診てもらった方が良いと思います。
そしてこの耐用年数ですが、ポイントが2点ありますのでお話しさせて頂きます
まず、意外かもしれませんが、木造住宅の構造的な部分の耐用年数で一番短いのは基礎で、建物を支えるコンクリート部分なんです
そしてこのコンクリート部分は、鉄筋コンクリートといって、コンクリートの中に鉄筋が入っています
大きなビルやマンションで使われているものですね!
木造住宅の基礎には必ず鉄筋コンクリートが使われているのでしょうか?
そうですね、現代の木造住宅では、ほぼ鉄筋コンクリートが義務化されていると考えていいと思います
何故鉄筋コンクリートが使われるのでしょう?
はい、コンクリートは上からの圧力には強いですが、引っ張りには弱い性質を持っています。
逆に鉄筋は引っ張りに強いですが、圧力には弱い性質なんです。
そのため、お互いの弱点を補い合うことができて相性が良いんです
その結果、非常に高い耐震性を保つことができますが、注意が必要なのは鉄筋は錆びる事によってだんだんと劣化が始まってしまうんです
といってもコンクリートは強アルカリ性ですので、中の鉄は最初は錆びません
ただし、周りの空気にあたり外側からゆっくりとコンクリートの中性化が進みます
そして中まで中性化されると鉄筋が錆びてきて強度が落ちてきます
これが起きるまでが、鉄筋コンクリートの耐用年数になります
ただ、圧縮のコンクリートはすぐには強度は落ちませんので、地震が無ければ鉄筋が錆びたところですぐに壊れるということはありません
しかし、更に鉄筋の錆が進むと、今度は鉄筋の体積が増えていきコンクリートを中から圧迫し、コンクリートにひび割れを起こさせてしまい、コンクリートの強度が落ちることもあります
この劣化年数は海の近くかどうか?等の環境でもかなり変わってきます
標準仕様の40年というのはこのような劣化が進みやすい環境下でも持つ年数と考えてください
長期優良住宅ではどのようにして100年持つようにしているんでしょう?
はい、この中性化を遅らせるためにはコンクリートの幅を広くすることが有効です
具体的には、以前は幅12cmの鉄筋コンクリートが主流でしたが、最近ではどの住宅でも15cmにすることが主流になっています。
100年持つとされる長期優良住宅の基礎は、まずこの15cm幅を採用しています。
これで単純にコンクリートの中性化が鉄筋まで到達する時間が長くなりますので、そのぶん耐用年数が長くなる、ということなんですね
そしてもう一つのポイントが床下と屋根裏で通気ができる構造になっているか?です
通気ができてないと、湿気で木材が腐朽する可能性があるからです
最近の建物はまず大丈夫ですが、古い建物だとこの点がおろそかになっている建物もありますので、気を付けてください
中古住宅を検討の場合は、床下を覗いて木材が乾いているか、腐ったような臭いがしないかを確認すると良いですね
通気が良ければ木の部分の劣化は気にしなくて良いという事でしょうか?
そうですね、日本の歴史的な建造物と一緒で、木というのは湿気で腐らせたり、シロアリの被害を防ぐ事が出来れば半永久的に長持ちするんですよ
また、お話が少しずれますが、耐震性の面で言いますと昭和56年以前の建物は「旧耐震」基準といって、今の建物にくらべると建築基準自体がかなり劣る上に、長期優良住宅などの制度もありませんでした
もちろん、それでも耐震性に気をつけて建築していたり、2階の重さのない平屋では耐震面で有利になりますので、全ての建物に当てはまるわけでは無いですが、構造的耐用年数という意味ではもうすでにその年数を超えていると考えておいて良いかと思います
それでは今回は木造の建物は何年使えるか?についてお話させていただきました
ありがとうございました!
ありがとうございました