失敗しない家の選び方解説Success
Youtubeにて公開中の店鳥と新人事務員よっしーの「失敗しない家の選び方解説」シリーズのテキスト版です!
今回は「長期優良住宅」について簡単にお話していきたいと思います。
よろしくお願いします!
「長期優良住宅」って名前だけは聞いたことがある方も多いのではないかと思います。
これは国が定めた、その名の通り「長期にわたり良好な状態で使用できる措置のある優良な住宅」を言います。
平成21年から始められました。
平成21年以前でも家を建てるときには、事前にお役所でチェックされてたんじゃないんですか?
そうですね。家を建築する際には、「建築基準法」を守らなければならないのですが、この基準は最低限の基準と考えていいかと思います。
例えば「断熱材」が入ってなくても、長持ちする材料を使っていなくても、あとあとのメンテナンスでお金がかかるような作り方でも家を建てることはできるんです。
もちろん昭和25年に制定された「建築基準法」は時代に合わせて改正されてきているのですが、例えば「長期優良住宅」を「建築基準」にするような大きなアップデートは今までの作り方で慣れていた工務店、ハウスメーカーにとっては技術的、コスト的にすぐ対応するってのは難しく、義務ではなく目標として設定されました。
認知度もあがり「長期優良住宅」は少しづつ増えてきていますが令和2年時点での注文住宅、建売住宅を含めた一戸建ての認定実績は25.5%となっています。
長持ち性能や快適性には決まりが無いってことですね
そうです。ここでちょっと面白い話なんですが、海外では中古住宅は「消費財」ではなく「資産」として考えられ、中古住宅の価値もメンテナンスをしているのもありますが、基本的にはほとんど下がりません。
日本の場合は価値が下がっちゃうってことですか?
日本では、木造の戸建住宅の場合、築10年で資産価値がおよそ半減、築16年を超えた辺りで2割程度まで下がってしまいます。マンションの場合はもっと緩やかに下降しますけどね。
では、なぜ海外では価値が下がりにくいのかというと「長期に渡って使用できる」という認識と実績があるからなんです。
また、売るときに値段が下がらないので、買い替え、住替えが活発ですね。
海外の不動産屋さん羨ましい!
日本では戦後の家の少ないときに「質」より「量」を重視した結果、長持ちしない家、住みづらい家、メンテナンスにお金のかかる家が多くなってしまいました。
結果「長持ちしない家」が当たり前になり、価値が下がるのも当たり前、という認識になってしまったんですね。
このままの「建てては壊す」という家造りから、長持ちして、資産価値が下がりづらい家造りの指標として作られたのが「長期優良住宅」になるわけです。
日本では地震が多いので、耐震性能に対しての基準は高いのですが、長持ちして快適に過ごせる住宅にするには他の要素も大事なんですね
長期優良住宅の基準を教えてください!
まず一つ目が「長持ちする家」です。大規模な改修工事をするまで3世代以上、おおむね75年から90年使用できるよう、腐りづらい、シロアリ対策もされた長持ちする材料の使用、施工が定められています。
次に「耐震性の高い家」です。これは耐震等級というのがありまして2階建て以下の場合「耐震等級3」が定められています。これは消防署、警察署などの防災拠点と同じ基準ですね。
ちなみに建築基準法では、耐震等級1があれば建築可能で、これは震度6強から7の地震がきても、傾くかもしれないが家は倒れない、というレベルの基準になります。
これが長期優良住宅の基準である耐震等級3であれば、例えば熊本地震の際の耐震等級3の家はほとんどが無傷だったと報告されていますね。
次に「断熱性の高い家」です。日本全国が8つの地域に分けられ、そのエリアごとに基準が決まっています。北海道など寒い地域ほど基準が厳しくなっていますね。
この断熱は奥が深く、施工技術も必要なため、7段階中の上から三番目である等級5があれば長期優良住宅の基準を満たしますが、それでも断熱に気をつかっていない住宅に比べますと全然違いますね。
断熱性能が高いとどうなるんですか?
断熱性能が高いと外気温の影響を受けにくくなりますので、エアコンや暖房機器の効きがよくなるんです。また、家中の温度差が少なくなりますので快適です。
夏涼しく、冬暖かくなって結果的に省エネにもなります。
最後に「メンテナンスのしやすい家」になります。
これは、例えば建物自体と比べると耐久年数の短い下水管を建物の基礎等のコンクリート等に埋め込んではいけない、等があります。
これは建物の外回りを見ればすぐにわかるのですが、建物下部の基礎といわれるコンクリート部分から樹脂の配管が出ていれば、何かあった時、メンテナンスが簡単です。
出ていないと、基礎のコンクリートを壊さないとメンテナンスが出来ないことになります。長期優良住宅でないとやっていないお家が多いですね。
以上が、長期優良住宅の基準になります。
ありがとうございました!
今後、仮に売却することになった場合、「長期優良住宅」かそうでないかで、その売却金額に大きな差が出てくることも予想されます。
長期優良住宅仕様といって、登録をしていない物件もありますがこれは、実際に長期優良住宅かどうかわかりませんので注意してください。
登録が必要なんですね。基準を満たしていたらそれでいいように思いますが
登録をして認定を受けることによってローンの金利優遇や税金控除などの措置を受けることが出来ますので、その証明のためにも登録が必要なんです。
優遇措置があるんですね!
また、長期優良住宅はきちんと車の定期点検みたいに、点検をしたりその内容の保存が義務付けられています。新築して住まわれる方も、中古で購入される方も非常に安心ですね。
ということで本日は長期優良住宅についてでした。
ありがとうございました!
ありがとうございました